【完】甘い恋愛授業
「山崎さんが困ってるだろ」
「……あっそ」
歩くんはそれだけ言うと、私から顔を離してそのまま科学室の中に入った。
あ、どうしよう……
きっと歩くんは、私が昨日休んじゃったから怒ってるんだ。
全部、私のせい―――…
「あ、ああ歩くん!」
「……なに?」
私が歩くんの袖をつかむと、歩くんは不機嫌そうに私を見た。
謝らないと。
ちゃんと……
「ごめん…なさいっ」
キュッと、手に力が入る。