【完】甘い恋愛授業
「歩くん、まっ……」
「ほら、ゆきも早く白衣きれば?」
そう言って、歩くんは私に白衣を渡してくれる。
そして歩くんも白衣を着て、私にフイッと背を向けた。
……言えなかった。
「―――っ…」
キュッと、歩くんに渡された白衣を両手で握る。
「そうだね。早く部活をしよう」
藍沢くんもそう言って、私の横を通って科学室の奥に入っていく。
「……私のバカ」
一度タイミングを逃したら、なかなか言葉っていうのは言えなくて……
そしてそのまま部活はいつも通り行われ、結局……