【完】甘い恋愛授業
あれ?
時東くん、座っちゃったよ。
私、いつここから出ていけるんだろ??
「……時東くんが帰るまで、ここで待ってよ」
出て行きずらいし、なんだか出て行きたくない。
サッカー部の練習が見たいけど、でも……
「……ねぇ、そこにいるの分かってるんだけど?」
「え?」
時東くんの、誰に話しかけている分からない言葉につい声を漏らしてしまう。
え? え??
「俺が気付いてないとでも思った?ここに入る時、たまたま隠れてる姿が見えたんだけど??」
時東くんはたんたんと、そう誰かに話しかけている。
いや…いやいや。
まだ私に話しかけてるって、決まったワケじゃない。
もしかしたら、他の人が隠れてるのかも……