【完】甘い恋愛授業
「……顔真っ赤」
そう呟いて、今度はさっきキスした所をペロリと舐めた。
「あ、歩…く…っ!!」
「じゃあ土曜日、楽しみにしてるから」
そう言ってクスリと笑うと、歩くんは私の手を離して背を向けた。
……息が、荒い。
キスされた手の甲が、熱い。
「……歩くん」
きっと気のせい。
熱い手も、ドキドキする気持ちも、きっと……
だって私は……
「長瀬くんが、好きなんだもん」
そう自分に言い聞かすように呟いて、私は家の扉を開けた……。