【完】甘い恋愛授業
やっと冷えたと思った顔に、また熱が集まる。
そんな俺を見て、ゆきは一言。
「……歩くん、ありがとっ」
「―――っ、別に」
苦しい。
胸が、苦しい。
息が、苦しい。
キュウウンッて、なにかに締め付けられたような感覚になる。
そんな感覚のまま、俺はゆきを家までおくった。
そこでゆきは、「あの、本当にありがと!今度、なにかお礼を……」と言って俺を呼び止めた。
………お礼、か。
そう言ったゆきに、俺が言ったのは、
「今週の土曜とかあいてる??」
そしてこの時の俺の提案により、俺はゆきに『デート』という課外授業をすることになった。