【完】甘い恋愛授業



冷たく囁かれた歩くんの声が、ヒッソリと私の脳内に響き渡る。


来なくてもいいよって……中止ってこと??


「あ、歩くん?」

「……ゆきは、そっちの方が良いんでしょ?」


ニッコリと満面の笑顔で言った後に、歩くんは着ている白衣をなびかせて私に背を向けた。

“ふ〜ん、全部否定しちゃうんだ”という歩くんの言葉が、頭の中でグルグル回って……


そうだよ。

恋人っていうのは否定しても、明日のことは……


「……私、デートもしませんなんて言って…“課外授業は受けません”って言ったようなもんだよ」


デートじゃなくてただの買い物です。って言えばよかったのに、私のバカ。



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