【完】甘い恋愛授業
「あ、あの……くすぐったいよ。やめてよぉっ!」
「無理って言ったら?」
「うぅ〜っ!!」
無理やり歩くんから離れようとするも、ガッチリと腰回りに腕がまわっていて……
「歩……くんっ」
「……ゆき、冷たい」
そう言って、私の肌にスリスリと手を擦り付ける。
……暖かい。
「歩くんも、私が早く来なかったから…だいぶ、待ったよね?」
「まあ……普通に」
「こんなどしゃ降りの中ごめんなさい。私……」
「別に謝んなくてもいいよ。寒いぐらい、どうってこと……」
「だ、だめだよ!風邪ひいちゃったらどうするの!?」
「……う〜ん、じゃあその時は」
「ゆきに看病してもらおっかな」と、歩くんは私の耳元で囁いた。
歩くんの看病……?