【完】甘い恋愛授業
「何だよそれ。俺、そんなの知らなくて……うわ、はずっ」
歩くんはそう呟いて、顔を真っ赤にする。
わ、歩くん…耳まで赤い。
「あの、だから…私は歩くんと手を繋ぐことは嫌なんかじゃなくて、本当に恥ずかしくて……」
「分かってる。もう、言わなくていいから…」
そう言って、両手を自分の顔にあてる。
そして私の顔を見て、ソッと手を伸ばして私の頬に手を添えた。
わわ……っ!
「歩……くん?」
「……目、少し腫れたな。ごめん。俺のせいで」
「歩くんのせいじゃないよ!」
「いや、俺のせいだよ」
そう言って、歩くんは立ち上がって私の隣に座った。
グッと距離が、近くなる。