【完】甘い恋愛授業



「……ハンカチ、だよ」

「“ハンカチ”?」

「うん。友達からもらったハンカチを落としちゃって、それで…」

「まさか、そのハンカチを拾ってくれたのが……長瀬?」

「……うん」


実際、このことを言って友達から「えー、それだけぇ??」と言われたことがしばしば…。

ほら、時東くんだって呆れた様子で黙り込んじゃってるよ。


「……それってさ、ほとんど顔だけで好きになったようなもんじゃん?」

「ち、違うよ!こんなに簡単な理由だけど、私は……」


本当に好きだから。

本当に本当に、私は長瀬くんが好きになった。


顔だけじゃなくて……


「私は―――っ!!」


思わず頭に血が上って、私はガタッと音を立てて椅子から立ち上がる。

でもその瞬間に……


―――パリンッ!



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