【完】甘い恋愛授業



そう呟き、俺は科学室に入る。

長瀬に話しかけられても、冷たい態度で長瀬を軽く睨みつける。


長瀬は何も、悪いことはしてない。むしろ長瀬はいい奴だ。


なのに何で、こんなに腹が立つんだよ……。


そんなことを思いながら、実験をしていると……


―――パリーンッ!


突然聞こえたガラスが砕け散った音。

見ると、ゆきの足元には試験管らしき物が粉々に割れていた。

焦ったゆきは、それを片づけようと手を伸ばす。


あ、バカ……!


前にガラスでゆきは指を切ったことを思い出し、俺は伸ばされたゆきの手をパシッとつかんだ。



< 255 / 454 >

この作品をシェア

pagetop