【完】甘い恋愛授業
そう呟き、俺は科学室に入る。
長瀬に話しかけられても、冷たい態度で長瀬を軽く睨みつける。
長瀬は何も、悪いことはしてない。むしろ長瀬はいい奴だ。
なのに何で、こんなに腹が立つんだよ……。
そんなことを思いながら、実験をしていると……
―――パリーンッ!
突然聞こえたガラスが砕け散った音。
見ると、ゆきの足元には試験管らしき物が粉々に割れていた。
焦ったゆきは、それを片づけようと手を伸ばす。
あ、バカ……!
前にガラスでゆきは指を切ったことを思い出し、俺は伸ばされたゆきの手をパシッとつかんだ。