【完】甘い恋愛授業
「え―――…」
「山崎っ!!」
いきなり時東くんの大声が聞こえたかと思ったら、私は腕を捕まれて思い切り引かれる。
そして時東くんは、私を庇うようにしてギュッと抱きしめた。
「へ…っ!?」
ドキキッ!と心臓が跳ねて、一気に体が熱くなる。
い、いったい何なのぉ!!?
「……何で、サッカーボールなんて飛んでくんだよ」
「サッカー…ボール?」
時東くんは何事もなかったように私から離れ、ガラスの破片に埋もれているサッカーボールを拾った。
あ、サッカーボールが窓を突き破ったんだ…。
だから、時東くんは私を庇ってくれた……??
「あの、時東く……っ」
「すみませーん!ここに、サッカーボール飛んできませんでしたかっ!?」