【完】甘い恋愛授業
時東くんにお礼の言葉を言おうと声を出したが、そんな私の声は“ある人”によってかき消された。
そのある人と言うのは、長瀬くんで―――…
「………へ??」
な、長瀬くんっっ!!?
「え?あ、何で長瀬くん…」
「本当にすみませんでした!俺が蹴ったボールが、科学室に入っちゃって……あぁ、ガラス割っちゃったよ」
「はぁ」とため息をつきながら、床に散らばったガラス片を見つめる。
そして長瀬くんはフイッとこっちを見て、私と時東くんに近付いてきた。
「ふぇ!?長瀬…く…」
「あの、どこか怪我したところとかはなかった?」
「はい!私は、ありま…せん」
わああああん!
上手く喋れないよぉ…。