【完】甘い恋愛授業
「せ、せめて汚れ取らないと…ばい菌入っちゃうから」
「ああ、ありがとう。えーと、君は……」
「や、山崎です。山崎 ゆきって言います。同学年の」
「山崎さんね!うん、分かった。ありがとね」
そう言うと、長瀬くんは私から濡れたハンカチを受け取った。
わわわっ!
長瀬くんが、私の名前呼んでくれたよぉ…!!
そんな喜びに私がひたっていると、いきなり長瀬くんが「あれ?」と声を上げた。
「え?」
「このハンカチ、前に俺が……ああ!山崎さん、前に一度会ったことあるよね!?」
そう言って、長瀬くんは私の顔をパッと見た。
―――ボンッ!
いきなり目があって、そんな音をたてそうなぐらい顔が真っ赤になる。
いや、それよりも……