【完】甘い恋愛授業

「……は？」


さすがの歩くんも、かなり驚いた顔をしている。


「一週間後にはもう転校しちゃうんだって。だから……」


「私、長瀬くんに告白しようと思うの」と、私は言った。


そう言ってから一時の間、時間が止まったみたいに静かな空間が広がった。

歩くんと私でさえ、動くことすらできない。


「……ゆき」

「この頃ね、歩くんの恋愛授業のおかげで長瀬くんともちゃんとお話しできるようになったの。だから……」

「用が終わったなら、さっさと帰れよ」

「……え？」


いきなり聞こえてきた冷たい声に、ビクッと肩が震えた。


歩……くん？？