【完】甘い恋愛授業
「俺は時東が嫌いだ。山崎さんには、科学部員仲間として忠告をしただけだ」
そう言って藍沢くんは、無表情で歩くんを見つめた。
「……ゆきっ」
「歩くん……今の藍沢くんが言ったこと、本当に?」
私がそう聞くと、歩くんはギュッと拳を握りしめて……
コクリと、頷いた。
別に、私は歩くんがいくら女の子と付き合っていたとしてもこの“好き”っていう気持ちは変わらない。
でも、もしそれが本当なら「私にキスしたのは軽い気持ちで?」だとか、
「恋愛授業をしてくれたのも、遊びで?」とか思ってしまう、
そんな自分が、一番……
「―――つっ…」