【完】甘い恋愛授業
「外見だけじゃないよ。私は、歩くんは凄く優しい人だって知ってるから……」
「……じゃあ、何で泣いたの?」
「それは、あ、えーと……」
「まあ、どちらにせよ山崎さん。時東は山崎さんのことを好きじゃない。
今、山崎さんが泣いたことできっと……時東は山崎さんのことを嫌いになった」
「だから諦めるんだ、時東は」と言って、藍沢くんは私の頭の上にポンッと手をおいた。
藍沢くんの声は、凄く優しい。優しいのに、なんだか……凄くトゲがある。
「……嫌いに…なった?」
「いや、言い方がおかしかったか。……もともと時東は、山崎さんのことを好きじゃない。きっと今回だって、ただの遊びだ」