【完】甘い恋愛授業



「外見だけじゃないよ。私は、歩くんは凄く優しい人だって知ってるから……」

「……じゃあ、何で泣いたの?」

「それは、あ、えーと……」

「まあ、どちらにせよ山崎さん。時東は山崎さんのことを好きじゃない。
今、山崎さんが泣いたことできっと……時東は山崎さんのことを嫌いになった」


「だから諦めるんだ、時東は」と言って、藍沢くんは私の頭の上にポンッと手をおいた。


藍沢くんの声は、凄く優しい。優しいのに、なんだか……凄くトゲがある。


「……嫌いに…なった?」

「いや、言い方がおかしかったか。……もともと時東は、山崎さんのことを好きじゃない。きっと今回だって、ただの遊びだ」



< 328 / 454 >

この作品をシェア

pagetop