【完】甘い恋愛授業
「ねぇ、ゆき久しぶりに一緒に帰らない??」
「紗希ちゃん!」
鞄を持って帰る準備万端の紗希ちゃんが、片手をあげてそう言った。
「え、あ、紗希ちゃん生徒会は??」
「もう終わったわよ。さ、早く帰りましょ」
「佐野先生とバトンタッチだから」と言って、紗希ちゃんは私の手をギュッと握った。
そして科学室をでて、どんどん私を引っ張っていく。
ば、バトンタッチ??
「……でもビックリした。あの面倒くさがりやな佐野先生が生徒会室にきて、“紗希ちゃんいる?いるなら来てよ”だって」
「さ、佐野先生がそんなことしたの!?」
それにビックリして後ろを向くと、もう科学室はほとんど見えなくて……
明日、またちゃんと言わなきゃ。
“ありがとうございます”って……。