【完】甘い恋愛授業



一昨日……。


「何で、あの時キスなんて……」


そう、言葉を続けるゆき。


何で、あの時キスをしたか?

そんなの、ゆきが好きだからに決まってる。

だけどこんな事を言っても、ゆきを困らすだけだ。


だから……


「―――あんま、覚えてないんだ。あの時のこと」


俺は、全てを忘れたことにした。


そんな俺の答えに少々納得してない様子のゆきだったが、

「そ、そっか。覚えてなかったんだ!」と言って、その話しは無理やり終わらされた。


だけど次に発せられたゆきの言葉により、俺の熱で火照った体が一気に冷めるコトになる。


「……長瀬くんが、転校しちゃうみたいなんだ」



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