【完】甘い恋愛授業



「……ゆき、好き」

「へ??」

「だからさ、ゆきも俺の顔見てちゃんと言ってよ」


私の顔を下から覗きながら、歩くんはそう言ってニコリと笑った。


歩くんの顔を見て!?


「むむむ、無理無理!!」

「俺はちゃんと“好き”って言ったよね?」

「でも……っ」

「言えって……な??」


耳元で静かに呟かれ、ピクッと体全体が揺れる。


「歩くんの……バカ」

「なんか言った?」

「何も言ってませんー!!」


ほぼ涙目でそう言うと、歩くんはクスクスとおかしそうに笑った。



< 393 / 454 >

この作品をシェア

pagetop