【完】甘い恋愛授業
「……ゆき、好き」
「へ??」
「だからさ、ゆきも俺の顔見てちゃんと言ってよ」
私の顔を下から覗きながら、歩くんはそう言ってニコリと笑った。
歩くんの顔を見て!?
「むむむ、無理無理!!」
「俺はちゃんと“好き”って言ったよね?」
「でも……っ」
「言えって……な??」
耳元で静かに呟かれ、ピクッと体全体が揺れる。
「歩くんの……バカ」
「なんか言った?」
「何も言ってませんー!!」
ほぼ涙目でそう言うと、歩くんはクスクスとおかしそうに笑った。