【完】甘い恋愛授業



“泣かせた”


藍沢のその言葉が、ズンッと胸にのしかかる。

そして顔を俯かせた俺を見て、藍沢はバサリと乱暴に白衣を脱ぎ捨てた。


「お前を探し続ける山崎さんが可哀想だ。時東を探しても無駄だと、山崎さんに伝えてくる」


そう言って、藍沢は科学室を出て行った。

そんな藍沢を、俺はただ見つめることしか出来なくて……


「……いや、いいんだ」


「これでいいんだ」と、自分に言い聞かすように呟く。


「ゆきにはもう、会わないって決めたんだから……」


もう決めた。

決めたことなんだ。


なのに……



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