【完】甘い恋愛授業
「……ゆき」
その名前を呟くたび、胸が苦しくなって……
「……俺のこと好きになって、なんて贅沢は言わないからさ」
その願いは、もう絶対に叶わないもので……
「お願いだから、もう一度」
もう一度、ゆきと手を繋ぎたかったな……。
そんな思いを胸に、俺は目にたまった雫を押し込むために無理やりまぶたを閉じた。
それと同時に……
「え、ここ……科学室?」
そんな声が、いきなり外から聞こえてきた。
この声は、もしかして……ゆき??
「な、なんで……!」