【完】甘い恋愛授業
いきなり大声をだした歩くんに、思わずピクッと私の肩が揺れた。
あ、歩くん…?
「何かにつけてゆきに用事頼んだり、ゆきに必要以上に馴れ馴れしくしたり……」
「今思い出しただけでも腹が立つ」とブツブツブツブツと独り言をはじめる歩くん。
あ、歩くんのオーラが怖いよぉ……。
「だからさ、ゆき。無防備でいるのは俺の前だけってこと……忘れないでね?」
にっこぉりと、歩くんはそれはそれは満面の笑みを浮かべる。
そんな歩くんに私は、
「は、はい」
と言って素直に頷いた。