【完】甘い恋愛授業
「佐野先生、寒いけど暑いって何言ってるんですか?」
純粋に不思議だとでも言う風に、山崎が少しブカブカな白衣を着て俺に近寄ってくる。
「暑いっつか……熱い。寒いけど熱いんだよ」
「??」
「だから寒いけど熱いのー」
「???」
「だからよー」
いまだにポカンと間抜けな顔をする山崎に、なんとか今の自分の心境を伝えようと身を乗り出す。
すると……
「俺のゆきに近づかないでくれますか、佐野先生」