【完】甘い恋愛授業



「佐野先生、寒いけど暑いって何言ってるんですか?」


純粋に不思議だとでも言う風に、山崎が少しブカブカな白衣を着て俺に近寄ってくる。


「暑いっつか……熱い。寒いけど熱いんだよ」

「??」

「だから寒いけど熱いのー」

「???」

「だからよー」


いまだにポカンと間抜けな顔をする山崎に、なんとか今の自分の心境を伝えようと身を乗り出す。

すると……



「俺のゆきに近づかないでくれますか、佐野先生」



< 441 / 454 >

この作品をシェア

pagetop