【完】甘い恋愛授業



「なにって……何で、くわえて…イヤっ」

「イヤなの?」

「あ、えーと…」


少し寂しそうな表情で見上げられて、“イヤ”ってハッキリ言えなくなる。


た、確かに、こういうのも消毒って言うけど……


「汚いよ?だから……」

「ちょっと黙っててよ」


歩くんは私の声をそう遮ると、怪我をしていない指先までペロリと舐めあげた。


「あ……っ」

「なにその声?誘ってる??」

「ち、違うよ!!」


“誘ってる?”という単語だけでも、顔に熱が集中する。

あと、「誘ってるってなにを?」という質問は口に出しちゃダメなような気がする。



< 92 / 454 >

この作品をシェア

pagetop