【完】甘い恋愛授業
「なにって……何で、くわえて…イヤっ」
「イヤなの?」
「あ、えーと…」
少し寂しそうな表情で見上げられて、“イヤ”ってハッキリ言えなくなる。
た、確かに、こういうのも消毒って言うけど……
「汚いよ?だから……」
「ちょっと黙っててよ」
歩くんは私の声をそう遮ると、怪我をしていない指先までペロリと舐めあげた。
「あ……っ」
「なにその声?誘ってる??」
「ち、違うよ!!」
“誘ってる?”という単語だけでも、顔に熱が集中する。
あと、「誘ってるってなにを?」という質問は口に出しちゃダメなような気がする。