借金とりとおにごっこ!?
「へぃ、ついたぜぃ」
「ありがとうございました!」
「いいってことよ」
車から出ると、
目の前に綺麗な海が広がった
夕日で海が照らされ、
きらきらと蜂蜜色に輝く海は
とても優しい色をしていた
桜の木は階段を下りてからある公園の隅っこの方に、大きくそびえ立っている
枝の半分は海にかかっていて、
春になったら花びらが海に舞い落ちる
だから桜の海なんて呼ばれている
私はまるで海に浮かぶ桜のじゅうたんが大好きで、毎年家族でここに来ていた
桜の真下まで来て、桜の木を見上げた
ぎゅっと服をつかんでから
眼鏡をそっとはずしてポケットに入れた
髪を縛っていたゴムもはずして
ポケットに入れる
髪が風になびいて、
みつあみがほどけていった
震える手で手紙を開いて読み始める