借金とりとおにごっこ!?
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菜乃香へ

この手紙を読んでるってことは、
すっかり大きくなったのね。
まず、最初にごめんなさい。
菜乃香には寂しい思いをさせて、
いっぱいいっぱい泣かせて。
ほんとはずっと、菜乃香と笑ったり、
つまらないことで喧嘩したり、
励ましあったり、買い物したり......
もっともっと、菜乃香の傍に居たかった。
あと1日でもいいから、
菜乃香と過ごしたかった。
あ、菜乃香の花嫁姿見たかったなぁ。
きっと、お母さんに似て
すごく綺麗なんだろうね。
お父さんなんか、号泣するでしょうね。
お父さんみたいに、顔は悪くていから
いい人と結婚するのよ。
お母さんは菜乃香を信じてます。
だから、菜乃香が決めたことは
口出ししないわ。
その代わり、思いっきりやること。
中途半端はダメ!

ねぇ、菜乃香、知ってる?
お母さんも、お父さんも菜乃香のことが
だ~いすきなの。
菜乃香がおなかの中に居ると分かったときは
2人で大喜びして、産まれた時なんかは
病院が水浸しになるんじゃないか
ってくらい泣いて喜んだ。
お父さんが会社首になった理由
知ってる?
菜乃香には言うな
って言われてたんだけどね、
あれ、大事な会議抜け出したからなの。
なんでかわかる?
菜乃香が熱出しちゃったから。
たいしたことないって言ったのに、
お父さん結局帰って来ちゃって。
もう、本当バカよね。
でもね、お父さんのそういうとこ
好きだったなぁ~。
もっともっと、
書きたいことはあるのだけれど
多分書いてたらいくら紙があっても
足りないので、やめておきます。
菜乃香、大好きよ。
表現できないくらい、
すごくすごく大好き。
お母さんは、
いつでも菜乃香のこと見てるから。
毎年、菜乃香のために
お父さんと綺麗な桜を咲かせます。
だから、見にきてね。
お母さんの大好きな菜乃香が
笑って過ごせますように。
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