借金とりとおにごっこ!?


「あ、夕矢さん!」


空港に着くと
斎城一家が勢ぞろいしていた

俺、ほんとにフランスに行くのか


「来てくれたんですね!
紗代、すっごくうれしいですっ」


斎城が甘ったるい声で言う

気持ち悪い声で言う


あぁー、うぜぇ!


「あの、ところで
夕矢さんお一人なんですか?」

「親父と姉貴居ただろ。
見えなかったのかよ」

「あの馬鹿っ!
何やってんのよ!!」

「は?」

「あ、いえ。
そうでしたね、アハハッ」


なにかボソッと言ったような気がした

でもあまりの小さな声で
よく聞き取れなかった

俺が一人かって.....
俺以外に誰か待ってる奴でもいるのか?


「おい、紗代、夕矢君。
そろそろ飛行機乗り場にいこう」


斎城の親父が荷物を持って言う

とうとうフランス行きか.....



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