借金とりとおにごっこ!?

ー夕矢ー


ギギィと悲鳴をあげる屋上の扉を開けると
心地良い風が吹いた

汗ばんだ顔に風が当たり
ひんやりとして気持ちいい


「夕矢、怒ってる？？」

「怒ってねぇとでも思ってんのか？」

「ご、ごめんさいっす！
でも、私これ以上皆に嘘つきたくない」


真直ぐに、真剣に
菜乃香が俺の目を見つめる



多分、菜乃香は悪くない
『嘘をつきたくない』

分かってた、いつかはこうなること...
覚悟はしてた、あの日から.....


菜乃香はかなりバカで
どうしようもなくドジで天然で...

でも、自分を飾ってないとことか

この先菜乃香のこと好きになる奴なんか
いくらでもでてくる

いつか、菜乃香が自分の手の届かない所にいってしまうんじゃないか？

不安で、怖くて.....


でも、所詮外見しか見てねぇアホ男ばかりだ

だから、安心してた



なのに菜乃香は眼鏡を取ってしまった
こんなこと言うのは俺のキャラじゃねぇけど、
眼鏡をはずした菜乃香かなり可愛い

はずして欲しくなかった



数秒間、なにもない時間が流れた

俺は菜乃香から目をそらし
フッと笑ってから
今度は俺が真直ぐ
菜乃香の綺麗な黒色の瞳を見る