借金とりとおにごっこ!?


「どうしたの、夕矢?」


菜乃香が小首をかしげて上目遣いで
不思議そうに顔をのぞき込んでくる

眼鏡をはずしてるおかげで
ただでさえ可愛いのに、こんな顔...

あぁー、俺、今絶対顔真っ赤だ///

顔が赤く赤くなってることに
気づかれないようにそっぽを向く


「いや、俺、
菜乃香が思ってるほど怒ってないから」

「っえ、嘘!?
じゃ、じゃじゃじゃじゃじゃあ、
ちゃぶ台返しとかしない??」

「しねぇよ!
ってかすっげぇ怒っててもしねぇわ!!
.....とりあえず、
お前は突拍子すぎるんだよ。
まずは全校生徒に言うんじゃなくてさ、
涼風と奈月だけに話せばいいんじゃね?」

「...そっか!!
うん、そーだよね」


今度はニカッと満面の笑みで言う

もう、可愛すぎだから...


って、なに言ってんだ俺!?
自分で言って鳥肌立つわ!!


「私、皆に手紙書くね!
で、屋上に来てもらう!!」


両手で拳を作って気合を入れる

なんか、鼻から
煙が出そうな勢いだ。


「じゃ、行ってくるね」

「え、ちょ、俺も行く!!」


ひらひらと手を振りながら
去ろうとする菜乃香を急いで止めた




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