借金とりとおにごっこ!?

3人の顔を順番に見ていく
覚悟はできた!


「私、実は借金があります。
それも返せないほどの額です。
だから、借金取りから逃げるために
偽名使ってました。
ほんとの名前はね、楠木菜乃香なの。
今まで黙ってて、すみませんでしたっ!」


これでもかっていうぐらいに
がばっと頭を下げる

汗がじわじわと出てきた

どうしよう.....
今頃になって不安になってきた


「頭あげてよ、菜乃香。」


雅がそういって優しく肩をたたいた


「誰にでも秘密の一つや二つあるよ。
うちだってあるもん。秘密」


そうって二カッと笑うと
クルッと回って背を向けてから
2、3歩あるいて、
またクルッと回って私たちの方を向いた


「うちの彼氏、実は一回死んでるの。
あ、ほんとに死んだわけじゃなくて.....
記憶、失ってるの。
うちとの最悪な出会いまで忘れてんの。
ほんと、むかつくよね.....
未だにあった頃の記憶はないし、
いつ思い出すかもわかんない。
もしかしたら思い出さないかもしれない。
ほんとは、もっと泣きたい。
でも、泣くのが怖い。
だからね、そんな感情を吹き飛ばすために
いつも無理して笑ってるんだ」


そうゆうとまた二カッ笑った

雅、そうだったんだ....
いつも、つらい思いしてたんだ.....

私、全然気づけなかった

雅は、悩みなんかないんだろうな
って思ってたよ.........


「俺なんかさ、
もっとひどい彼女いたから」


今度は称磨君が肩をすくめて言った





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