借金とりとおにごっこ!?


称磨君はマンションに独り暮らしで親はいないから
2人っきりで思う存分夕矢と仲直りしろ!と言ってくれた


称磨君はどうするのかな?と思って聞いてみると


「あ、俺?緋那んとこ行ってくるわ」


といたずらっぽく笑ってから
私を残して出て行った


それから一人で待つこと10分

チャイムもならさずにドアが開く音がした


絶対、夕矢だ!

そう思いながら、夕矢を待ち構えた


バッチコーイ!!


「おい、称.....磨」


戸を開けて、私と目があった夕矢は数秒固まっていた


「わりぃ、間違えた」

「え?」


ちょっとまってよ、なんで?なんで逃げるの?

私は、ただ、ただ夕矢と仲直りが.....!!


「夕矢のバカ!
なんで逃げんの!?なんで避けるの!?
なんで、なんで.....」


なんで、止まってくれないの??

駄目だ、やっぱり私の声はもう夕矢には届かない


ううん、ここであきらめたらダメだ!
ここであきらめたら、私じゃない!!


大きく息を吸って、力いっぱい叫んだ

聞いて、夕矢!私の気持ちを、想いを


「夕矢、好きぃーーー!
大好き、言葉じゃ伝わんないくらい好きっ!
私は、片凪夕矢が宇宙で一番好き!!多分...」


やっと、夕矢はその足を止めてくれた

そして、久しぶりにその笑顔を私に向けた


「お前、ばっかじゃねーの?
最後に多分て、説得力ねー!!」

「だ、だって、宇宙人と会ったことないし...
で、でも!絶対宇宙人よりも好きっ!!」

「ッハ!やっぱ、お前にはかなわねーな。
俺も、宇宙人より好きだ」


優しい声で耳元で囁かれ、一気に顔が真っ赤になった

なんだ、こんなにも簡単だったんだ

ただ自分の気持ちをこんなにも素直に伝えるだけで
たったそれだけのことで、仲直りできちゃうんだ


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