借金とりとおにごっこ!?


「「菜乃香、おめでとー!」」

「ありがとう、雅、緋那」


いつものように5人のランチタイム

真っ先に夕矢と仲直りしたことを伝えた


皆、特に雅なんかは大粒の涙をポロポロこぼしながら喜んでくれた


「よかったな、夕矢」

「まぁな」

「これで恐怖の緋那家に行かなくて済む.....」

「今、なんか言った!?」

「.....聞こえてましたか?」

「ええ、聞こえてましたよ?
ばっちりねぇ~!!」

「ごめんて!まじごめんて!!」


そしてまたいつものように緋那と称磨君の喧嘩が始まった

それを笑いながら3人で眺める


やっぱり私はこの時間が好きだ

皆で笑って、話して、バカやって
そんななんでもない時間だけど
この5人で過ごすこの時間が好きだ


「みんなー、大好きだよぉ~!」


屋上の手すりから身を乗り出して
思いっきり叫んだ

外でサッカーしてる人たちに聞こえるんじゃないかってくらい叫んだ


「お、なになに!?そういうあれですか?
じゃあうちも、みんな大好きだぁ~!
ほら、次緋那!!」

「っは!?そんなこと.....」


ほら、早くいっちゃいなよー
とでも言うように雅と2人で緋那を見る


「もう、分かった!言うわよ、言うから!
あ、あたしも、みんなが好きー!」

「っお、やるじゃん、緋那。
んじゃあ俺も一発.....
みんなー、だーいすーきだぁ~!!」


最後はお前だぞーと4人で夕矢を見る

それを見て観念したのか、夕矢が手すりに軽く手をかけた


「俺も、好きだー!」


なんだか、皆でバカみたいに大声出して、叫んで
それが可笑しくて大笑いしてしまった

しばらく笑いが止まらなくて、結局お昼はお預けとなってしまった


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