ラスト
部屋に帰ると、正弥さんが来ていた。

正弥さんに写真を見せた
とても嬉しそうで、お腹の赤ちゃんに話しかけた。

「頑張れ、大丈夫だからな、パパとママがちゃんと守るからな」

それに答えるかの様にお腹を蹴ってきた。

「もう少し頑張っていこうな」

正弥さんのその言葉が嬉しい。


正弥さんが居る間は、楽しいし無駄な事を考えないで済む。

彼が帰ってしまうと色々考えてしまう…。

だから、正弥さんには眠くなるまでそばに居てもらう…。

そんなワガママを正弥さんは嫌がらずに聞いてくれる。



それから2週間後、絶対安静と言う条件で退院が決まった。


久しぶりのお家…。

真面目な人だから…正弥さんは、貯めに貯めた有給休暇と、今、抱えている仕事を持ち帰り約1か月の休みを取ってくれた。

私が無駄な事をしないために。


久しぶりに正弥さんの隣に眠る。

温かい…

「なぁ…」

「何?」

彼は急に起き上がった。
「今更だけど…
俺…
ちゃんと、蓮に言って無かったなぁと思ってさぁ…

お見合いで知り合ってさ、5年。
俺は、ほとんど仕事であんまりデートも出来なかったのに親父達が勝手に話進めたから…

ホントは蓮は嫌なんじゃないかって…

ずっと思ってて…。

でも
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