海よりも。

しばらくすると医者と看護婦さんが来た。


「白崎鈴香さんですね?」

「はい。」

「意識もはっきりしてますし、
明日念のため検査します。
なんの問題もなければ一週間で退院できますよ。」


「ありがとうございます!!」

お母さんとお父さんが言う。

医者とお母さん達はどこかへ行ってしまった。


看護婦さんが点滴をとりかえてくれた。

「一体今日はどうしたんでしょうね?」


「なにがですか?」

「今日、ここ2、3年意識不明だった患者さんも
目を覚ましたのよ。」

「もしかして、男の子ですか!??」

「多分そうだったと思うわ。」

「名前わかります?」

「ごめんなさい。私、担当じゃないから
詳しくは分からないの。でも、隣の塔の病室だったと
思うわ。」

「そうなんですか...」
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