紳士的なLady
告白メヌエット
ああ……。
眠たい……。
気だるそうに歩きながら、私はふっと息を吐く。
今は部活帰り。
すごく疲れている。
早く家に帰って、ベッドに潜りたい。
しかし、鞄を教室に置いている。
だから、廊下を1人で歩いているのだ。
「満原先輩!!」
後ろから、高い声が聴こえた。
あ。
また今日も来たの?
今月に入って、何回目だっけ?
「どうしたの?」
帰る途中だったけど、止められては仕方がない。
その女子は、今月に入って何度も目にしている。
変わった事と言えば、顔を桃色に染めていて、可愛らしく見える。
ただそれだけだ。
「ちょっと……お話があるんです……!」
その女子は真っ直ぐこちらの方を見つめて言う。
この雰囲気はヤバイな……。
「ん。分かった。なら行こうか」
空気を察したこちらの方も、そう言って彼女を連れて、廊下の奥の方へと進んでいった。