紳士的なLady
不機嫌フォルティッシモ
階段を下り、6時なのにまだ明るい廊下を歩いていく。
他のクラスにはまだ人が残っていて、女子達の高い笑い声が耳に聞こえる。
1番奥の私のクラスに、電気がついていない。
きっと、誰かが鍵を返したのだろう。
とりあえず、ドアが開いていないかだけを確認する。
そっとドアを右に開くと、カラカラと小さな音を立てながらドアが開いた。
誰も居ないじゃん。良かった。
何となくほっとすると、そのまま教室全体を見ずに、前に歩んだ。
今思えば、それが間違いの始まりだった。