恋、来い。

「何、そんなにイヤ?」

「べっべべべべべべ別に!!!」

「ぷっ。超どもってる」


笑った。
賢一くんが今日初めて笑った!!!

「賢一くんも笑うんだ」

「え?」

「賢一くん、会ったときから全く笑ってなくて無愛想だったから、笑わないかと思ってた」

「俺、無愛想じゃねえし」

「無愛想に見えたの!!」

「お前、実はMだろ」

「はあ!?希、だからNだし!!」

「大丈夫か?お前。イニシャルのことじゃねえよ」

「は?じゃあ何」

「はあ。もういいや。お前ダメだ」

「うわっ呆れたな!!」


久しぶりにこんなに喋った。
こんなに笑った。
こんなに楽しんだ。
もっともっと、賢一くんと喋りたいな…なんて。

「やべ、時間だ。じゃあ俺、教室戻るわ」

「ん、分かった」


手を振って、賢一くんを見送った。

「希ぃ~」

「うわッ!!」


消えるような声であたしを呼んだのは、哀那だった。

「どした、哀那」

「のんん~」


増えた。

「みんも!?どしたあ、2人とも」


2人とも泣きマネが下手だなあ。
てかなんでこんな悲しんでるんだよ…。

「ひどいよ、希!!」

「何が?」

「さっきまで、あんなに冷たかったのに!!」

「やっぱ、VIPと一般の差だね…」

「ああ…いや、なんかね…?」

「「うん。うん。」」

「あたし、賢一くんに恋しちゃったみたい…。」

「「ふんごおおおお!!?!!?!!?」」


なんだこの声。
ふんごって…w
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