恋、来い。

あれ?



そういえば…ホテルに住むって言ってたよね。
あれ?あたし、1人暮らしじゃなかったっけ。
家は?

「では、高校生活楽しみましょう」


美人な女先生がそう言うと音楽が流れた。
放課時間を知らせる放送だ。

「のんー」

「希ー」


みんと哀那がきた。

「ねえあたし、家で1人暮らしすることになってたんだけどさあ…」

「1人暮らし!?!?」

「聞いたほうがいいよね、先生に」

「うん…多分」


だよねえー。

「先生」

「あら、希ちゃん。どうしたの?」

「あの、あたしVIPって言われてるじゃないですか」

「そうね」

「VIPって、ホテルに暮らすんですか?」

「ああ、そういえばそんなことを校長先生が言ってたわよ」

「あたし…家で1人暮らしすることになってたんです。だから、家で住んじゃだめですか?」

「まあ!1人暮らしを。うーん…でも、ホテルのほうが何かと便利よ?」

「そうですけど…家族が残してくれた大事な家で…。放置してたら、壊されないですかね…。」

「うーん…校長先生に聞いてみるわね」

「ありがとうございます」


あたしは、先生を見送った。
先生優しいー!てか、学校のことって全部校長が決めんの?
職員みんなで決めると思ってたあ…。

「のん!どーだった?」

「校長に聞いてくれるって」

「そっか…。ちなみに、のんはどっちがいいの?家か、ホテル」

「正直迷う」

「だよね…。お母さん達がのんのために残してくれた大事な家と、安田くんと一緒に住めるホテル」

「…!!あ、そっか、賢一くん…」

「忘れてたの!?」

「うん…ああどうしよう!!!!!」
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