オモイビト
陽紀はギロリとおしゅくらまんじゅうを睨んで「あぁ」と言って出て行った。
蛍都といい陽紀といい、想はどうやら愛されているらしい。
「昴っ昴!」
どうやらおしゅくらまんじゅうの中心部にいたらしいユナとアサは、頬がちょっと赤かった。
「お疲れ様。暑かったでしょ?」
「てか、本当に……陽紀さんとも仲良くなってんだね……」
「陽紀そんな怖くないよ?」
「昴、それは仲間入りした人だけになんだよ?」
……陽紀は誰にでも優しいわけではないらしい。
「先生も怖がる問題児なんだから」
「まぁ、あたしも最初は怖かったけどね?」
そういえば、初めての時は後ろから殴られるかと思って背中に体育館の壁を付けて待ってたんだっけ……今や懐かしい……。