オモイビト


「兄弟の名前ってどこかしら繋がるよね。漢字の一部とか、ひらがなで統一とか、数字とか」

「なんでだと思う?」


辰が、いきなり真剣な顔してそんなことを言ったから、ちょっとびっくりした。


「……え?」

「昴ちゃんの意見が聞きたいな。なんで兄弟って名前が似たり寄ったりなんだろうね?」


……辰、どうしたんだろう?

なんか……ちょっと不自然に感じた。


「……長男長女の名前から連想させるのが、一番決めやすいからじゃない?」

「それは一般の意見だね」


……一般の意見じゃ、だめなの?

それ以外となると、あたしなら――。


「あとは……印、かな?」

「印?」

「親子の印、兄弟の印。どんなに距離が離れてても、どんなに心が離れてても、同じ親から生まれて来たことには変わりないでしょ?」

「……そうだね」
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