オモイビト


でも、なんで信頼できないの……?


「敬語の壁の秘密、教えてやるよ」


……さすが、情報管理人・陽紀。


「聞いてもいい話ってこと、なんだよね」

「逆に俺以外に話す奴はいないからな」


……それが、陽紀のお仕事らしい。


「敬語の壁が出来たのがいつかって、覚えてるか?俺が前に言った話」

「確か……小学校中学年くらいの……?」

「そうだ。あの時は曖昧に答えたが、詳しく言うと三年の春休み、四年になる直前だ」


……春休み?

小学生の春休みって……二週間くらいだったっけ?

その間に何かが……何か起きた?

決定的な、なにか……?


「辰の親が離婚した」

「……は?」


……離婚……?
< 117 / 200 >

この作品をシェア

pagetop