オモイビト

逃げないで



……なーんて思って想の方を向いてみたけれど……目が合ったとたんに顔に熱が集まって、再び陽紀にただいましちゃった。


「……何してんだよ昴?」

「……ムリ、見れない、ムリムリ!!」

「はぁ?」


想の顔を思い出すと、昨日のことを思い出す。


別に普通のカッポーだったら問題ないはず。

だからあたしたちだってそういうこと……やってもおかしくはないはずで……想だって男の子なんだから……。


……でも、あの真剣なまなざしが、頭から離れなくて……力強い腕が……ムリムリムリムリ!!


「昴?」

「……昴さん?」


ひゃー、漆にも心配かけちゃってる系かも!?

あたしの行動、不自然過ぎる……。

でもでも、そんなこと相談出来ないし……。


「……はぁ、キスぐらいでんなわめくな昴」


……と言ったのはお口の悪ぅ〜い陽紀サン。
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