オモイビト


そこには軽く机を蹴って存在を主張いているような漆がいた。


「……漆くん……?」


漆が、無言であたしを見つめる。

そんな漆に、あたしも視線を合わせる。


「……もしかして……、陽紀くんと思いきや漆くんと付き合ってるの!?」


……!?

どうして想とはそんなこと一ミリも思わなかったのに漆と陽紀はそう思っちゃうの!?


「否定はしない」

「否定してよ!!」


漆も漆でそんなこと言っちゃうし!?

漆ってそんなキャラだったっけ!?


「へぇ、漆くんかぁ〜」

「愛ちゃん、非常に言いにくいんだけどね?一応違うんだけどね?」

「え?違うの?」


想の周りの空気が淀んでる!

澱んじゃってるよ!!
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