オモイビト


「必然的に……だけど……」

「そっか」


小学校の頃だった。

あたしと仲の良かった二人がいた。

一人は女の子、もう一人は男の子。


その二人は小四になってすぐ、付き合い始めた。


『昴ちゃん、昴ちゃんとはもう付き合えないんだよ』

『なんで?』

『昴ちゃんがとっちゃうかもしれないでしょ?』


そう言って、簡単に友達の縁を切られたこと。


それで一人ぼっちになったあたしは、少しずつしょーくんと話すようになっていった。

そのしょーくんにも大切な友達はいて、ずっと一緒になんていられなかった。


その女の子と男の子とは、話さなくなった。

目も合わせなくなった。


――こんな変化なら、なければいい――。

そう、強く思ったんだ……。
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