オモイビト


小さいことなのかもしれないけど、大好きな、大好きだった友達は、あたしとの友情より彼を取った。

そんなあたしに近付いて話かけてくれる人なんて、しょーくん以外いなかった。


夢に出るほど、ショックな出来事。


私がいる。

あなたがいる。


立っている。

向き合って。


あなたは、どうするの?

あたしを選ぶか、それを選ぶか……。


……やっぱり、あなたは――…あたしを選ぶことはない。


「……ごめん……」


ふと聞こえた言葉。


「なんで想が謝るの」

「でも……黙ってたり、あんなこと言ったから……」

「あたしが想を傷付けたんだよ?むしろ謝るのはあたしだって〜!」


いくら明るく振る舞っても、この苦しい空気は変わらない。

想のKYが移ったかも……。
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