オモイビト


泣きそうな想。

誰も、あたしたちの中に口をはさむ人はいない。


きっと……こんな風になった想を誰も見たことがないんだと思う。

恋愛初心者のあたしでも分かる。

こんなにも……大きな想い。

『好き』とか、『恋』とか、もうそんな言葉じゃおさまらない……。

ある意味『愛』なんだと思う。

想の中に『愛』が生まれてる。


それがどんなにどんなに小さな『愛』だとしても、『愛』には変わらなくて。

恋して、愛してる。


そんな想は、可愛いと思う半面、カッコいいと思う。

じんわりとあたしの心を支配し始める、熱い何か。

揺れ動かされる、心。

そんな心はあたしの身体を支配して……想のその身体を包み込む。


こんな衝動、初めてで。

……ううん、前にもあった気がする。
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