オモイビト


想と同じだ。

あたしは、こんなにも人を想える人だったんだ。

想と同じで、あたしにはあなたしかいなくて、本当はずっとずっと想い続けていて、奇跡を……待っていた。


「想くん」

「……なに?」

「……おっきくなったね」


やっぱり、想のKYが移ったんだって認めざるを得なくなった瞬間だった。


「……子ども扱い?」

「ううん、なんか……『再会』が、一方通行じゃなかった『想い』が、嬉しすぎて……」


お互いに大人に近付いて、あの頃のあたしたちとは違うけど、想いは変わらなくて……。


ずっと変化が怖かった。

いつあたしから誰が離れていくか……怖かった。


「ずっとずっと会いたかったの」


今、あたしの心は何重もの鎖を解いて、蓋を開けた。
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