オモイビト

溢れる想い

想いが溢れてしまえば、もうどうにもなれなくて。

過去の想いがよみがえってきたかのように、想から離れたくなくなっちゃって。


「……みんな、ごめんね。漆、ごめんね」


自分でも、こんなに過去にとらわれていたなんて思いもしなかった。

みんなはあたしにいろいろなことを教えてくれたのに、あたしは何も教えられていなかったし。

想がしょーくんだったなんて全く気付かないで一ヶ月ちょっとを過ごしてきてたし。


「いや……まさかそんな展開になるなんて誰も想像してなかったし……ね」


苦笑いの辰。


「……なんだよ、そんな簡単に結論出ちまうのかよ」


そうだよ陽紀。


「チッ、昴姉もうちょっと面白い展開期待してたんだけどなぁ……」


バカケイくん、そんな展開期待すな。


「……仕方ないね」