オモイビト

そう微笑んでくれた漆。


「ありがとう」


あたしも笑って、想をギュッと抱きしめる。


あたしの大好きな『オモイビト』。


「ちょ、す、昴っ……」

「……照れてるの？」

「な……!?」

「可愛いっ」


想の顔が真っ赤になる。


「なんか……普通逆じゃねぇ？」

「バカップルの会話男女逆バージョン……」

「可愛いとか言うのは本来男の方かもね」

「……あ、もしかしてあたしたちってバカップルの仲間入り？」


ついこの前まで想から逃げてたくらいなのにねぇ。


「オイそこのバカップル、ウザいから出てけ」

「陽紀ヒドイ〜」

「TEARでイチャるな」

「そうよ〜、イチャるなら二人きりで……あらでも見せつけるのもいいかも」