オモイビト


そこでようやく気付いたように、辰が言った。


「……敬語……?」

「そう。敬語が外れてから言おうと思ってたのに、その前に関係を切られちゃった。それでもまだ諦めたくない。そしたらその次に敬語が外れたあたしに――」

「昴ちゃんを、頼ってくる……と?」

「そう」


ここで、すべてが繋がった。

そしてみんな、納得したらしい。


「そんな乙女心をまったく理解してなかったアンタたちはバカでアホでクズの鈍感!」


言ってやった。

あたし、言ってやった。


「あたしがこれに気付いたのは、友達にあたしの過去と昨日のことを話そうとしたから」

「過去って……アレを?」

「大切な友達に話そうとして、話が長くなるなら放課後にどこか寄ってこうって言われて……そこであたしはTEARが浮かんだ。アンタたちの居場所はもう、あたしの居場所でもあるの」
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